急性扁桃炎とはどんな病気?
伝染性単核症

伝染性単核症

伝染性単核球症は、かつて「腺熱」と呼ばれていた病気です。発熱、咽頭(いんとう)炎や扁桃炎、頸部(けいぶ)リンパ節や肝臓・脾臓(ひぞう)が腫れる病気で、異型リンパ球と呼ばれるリンパ球の増多と肝機能障害なども現われます。

原因

EBウイルスというヘルペスウイルスの仲間による感染症で、唾液(だえき)を介して直接あるいは飛沫感染します。ウイルスが体のなかに入ってから発症するまでの潜伏期間は6~8週間です。乳幼児ではサイトメガロウイルスが原因になることもあります。
EBウイルスやサイトメガロウイルスによる感染症を起こしたことのある方は一生ウイルスが体内に潜伏していて、常に唾液中にウイルスを排泄しています。感染を避けるためにも、赤ちゃんに口移しで食べ物を与えることなどはやめましょう。

症状の現れ方

突然、38℃以上の高熱が出て1~2週間持続することが多いです。重症の場合には、発熱が1カ月以上続くこともあります。
併せて、急性扁桃炎、咽頭痛、イチゴ舌(ぜつ)などがみられます。また、頸部リンパ節、肝臓、脾臓(ひぞう)が腫れ、上まぶたの腫れもよくみられる症状です。喉の痛みや肝機能障害などで食欲が低下します。

症状の現れ方

診断

診断

診断のために、血液検査、肝機能検査、EBウイルス・サイトメガロウイルス抗体検査を行います。
血液検査では、血液中の白血球数の増加(15000μリンパ球・異型リンパ球の増加(10%以上)が認められます。また、肝機能を表すALT値、AST値は、ほとんどの場合で300~400IU原因ウイルスの診断には特異的IgM抗体の検出が重要となりますが、小さいお子さんの場合は陰性のことが多く、最低でも急性期と回復期の2回の血液検査を行うことが必要です。
類似の扁桃炎を起こす病気に、溶連菌やアデノウイルスによる扁桃炎があります。また、リンパ節、肝臓、脾臓がはれる病気には急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、風疹(ふうしん)、A型肝炎などがあります。そこで、血液検査等をしっかり行って鑑別しなければなりません。
また、サイトメガロウイルスによる伝染性単核症では、肺炎、喘息様(ぜんそくよう)気管支炎などの呼吸器症状の強いお子さんも多く、RSウイルス(急性細気管支炎)、クラミジア肺炎などとの鑑別も必要です。

治療

治療

症状は強いのですが、自然に治る傾向の強い予後良好な病気と言えるので、一般的には対症療法で十分ですが、肝機能障害があるので必ず、入院・安静が必要となります。
サイトメガロウイルスによる重症例には抗ウイルス薬を使用することもあります。また、二次感染防止のためにテトラサイクリン系やマクロライド系の抗生剤が点滴投与されます。
肝機能障害は軽度~中等度ですが、発熱第2週にピークになることが多いので、必ず2回以上の血液検査を受ける必要があります。

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